府県からの花嫁 「高野 智美さん」

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高野智美さん平成10年の暮れ、私は東京からのフェリーで、釧路港に到着しました。 

「酪農」という農業が、牛の乳を搾る生業だということさえ全く知らずに、酪農実習生として迎えてもらいました。

それまで、実家でも一人暮らしをした時も、飼ったことがあったのはインコとハムスターくらいで、犬や猫さえもペットとして家にいたことは一度もありませんでした。

けれど、今思い返してみても生まれて初めて、真冬の北海道で牛たちに出会った時の印象に、"びっくりした"とか"こわいなぁ"という不快なものが一つもなく、かといって、"かわいいなぁ""大きいなぁ"といった特別な印象もありません。

それくらい、自分は、ここ別海町の牛たち、自然、人びとに暖かく迎えてもらい、そのため思いっきりよく飛び込むことが出来たのかもしれません。

土日は休みという環境がずっと当たり前だったので「休日」とか「連休」というものが基本的にない農家の暮らしも想像もしたことのないものでしたが、周りの人びとに励まされ気遣ってもらいながら過ごすことが出来ました。  

そして、平成14年6月、4年前の暮れに釧路港に迎えにきてくれた"牛の親方さん"と結婚致しました。実習先のやさしい「おじさん」「おばさん」は「お義父さん」「お義母さん」になりました。

それ以来、お義父さんお義母さんの親心から、私達新米夫婦は母屋ではなく、牛舎の2階で「別居」させてもらっています。けれど、結婚して農家の家族の一員に加えてもらうようになると、どんな体調でも、事情があっても、どんな天候でも牛たちはお産を迎え、病気にもなり、生死が常に身近な仕事の厳しさを、初めて痛感することになりました。

普通の恋人同士のように、2人で出掛けたこともあまりなかったので、結婚してすぐの頃は、2人で遊びに行きたいなぁといつも思っていたのですが、夏に2泊3日でディズニーランドへ行かせてもらったのを最後に、以来今日まで365日1日も休むことなくだんなさんは働いています。

学生時代の友人も全くいない土地ですので、メールや手紙のやりとりに励まされることも多々あります。けれど、牛の親方の妻となり、少しずつ仕事に責任を持たせてやらせてもらえるようになると、しんどくても、その後、牛たちが一生懸命期待に答えてくれて、体調が良くなったりして、のんびりと噛み返しをしている姿を見ると、本当に生きる励みにさえなります。

また、夫婦ゲンカをした時の乳量は、決まって下がっているのです。  

どのような職業もそうでしょうが、「酪農」は夫婦、家族、周りの人々との信頼関係が鮮明に仕事に影響してきます。お互いに夫婦として、仕事仲間として、失敗や反省の毎日ですが、これ程苦楽を共に出来る、夫婦冥利に尽きる仕事もないのではないかと思います。

これからも夫婦、家族助け合いながら、牛たちがみな乳牛としての生が全うできるようにがんばっていきたいと思っています。 

※この記事は2003/12/12現在のものです。

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